複利は人類最大の発明である
複利という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
アインシュタインをして、「人類最大の発明」と言わしめたのが複利です。
つまりアインシュタインにしてみれば、
複利を使わないのは電話やインターネットを使わないことと同じかそれ以上なのかもしれません。
そんな凄い複利を知らずに生きるなんてもったいない!
複利っていったいなんなのか?なにが凄いのか?を解説します。
合計の利息がいくらになるか計算しよう
いまここに、1万円をもっているAさんがいます。
Aさんに、こんな投資話が飛び込んできました。
お金に関する言葉には、似たような言葉がたくさんあります。 今回は、その中でも間違えやすい「利子」「利息」「金利」「利回り」について図を使って解説します。 使う場面 これらの言葉を使うのは、お金の貸し借りをする場面です。 […]
いい話だと思ったAさんは、さっそく自分の1万円を投資することにしました。
さてここで問題です。

Aさんの1年後のお金は、最初に持っている額と、投資したことで得られる利息を合計すれば計算できそうです。
つまり、1年間で得られる利息を知ればいいわけです。
実はこの利息の計算にこそ、複利が関わっています。
2つの具体例から、Aさんのお金がどうなるか見ていきましょう。
単利とは
1か月後の資産

スタート時点では1万円の資産だったAさん。1か月の利回りが100%なので、1か月後には利息として1万円がAさんの手元に入りました。
その結果、Aさんの合計の資産は2万円になりました。
Aさんは、ちゃんと利息がもらえたことに安心して、投資先のお金の1万円はそのままにしておくことにしました。
2か月後の資産

2か月後、またもAさんの手元には1万円の利息が入ってきました。
先月も1万円をもらっているので、Aさんの合計の資産は、3万円になりました。
Aさんはよしよしと思い、1年後までずっと、投資先のお金の1万円はそのままにしておくことにしました。
1年後の資産
さあ、1年後、Aさんはどれだけの利息がもらえたでしょうか。
そして、Aさんの資産はいくらになったでしょうか。

Aさんは、毎月1万円を利息としてもらいました。12か月では、合計12万円になります。
さらに、投資先のお金の1万円があるので、Aさんの合計の資産は13万円になりました。
単利の結果
今のAさんの資産運用をもう一度確認してみましょう。
1か月目 | 2か月目 | … | 12か月目 | |
---|---|---|---|---|
投資先のお金 | 1万円 | 1万円 | 1万円 | |
今月もらえる利息 | 1万円 | 1万円 | 1万円 | |
今までにもらった利息 | 1万円 | 2万円 | 12万円 | |
総資産 | 2万円 | 3万円 | 13万円 |
ポイントは、投資先のお金が常に一定なことです。
1か月目も、2か月目も、ずっと1万円です。
1年の間にAさんの総資産は増えていますが、自分の総資産に関わらず、常に投資額は最初の1万円になっています。
そしてその結果、毎月もらえる利息も、一定です。
このように、自分の総資産にかかわらず、常に投資額を常に一定にしたときの利息を、単利と呼びます。
金利の中に単利や複利があって、どちらが偉いというような話ではないことに注意しましょう。
複利とは
さて、時間を巻き戻して、もう一度Aさんが投資話を始めるところに戻りましょう。
1か月後の資産

1か月後の資産は同じです。利息を1万円もらったので、Aさんの資産は2万円になりました。
Aさんは、ちゃんと利息がもらえたことに安心して、投資先のお金の1万円はそのままにしておくことにしました。
そしてさらに、いま利息でもらった1万円も、追加で投資することにしました。
なんとAさんは、投資額を増やすことにしたのです。まさに倍プッシュ。そうすると2か月目以降どうなるでしょうか。
2か月後の資産

1か月後にもらった1万円はそのまま投資先に入れるので、2か月後の投資先のお金は2万円になっています。
そうすると、利息は100%なので、2か月後にもらえる利息は2万円になります。
よって、Aさんの合計の資産は4万円になりました。
Aさんはよしよしと思い、1年間の間ずっと、もらった利息も全部その場で投資することにしました。
12か月後の資産
さあ、1年後、Aさんはどれだけの利息がもらえたでしょうか。
そして、Aさんの1年後の資産はいくらになったでしょうか。

驚くなかれ、12か月後
Aさんがもらえる利息は、2048万円になりました。
そして、1年間でもらった合計の利息はなんと4095万円です!!
最終的なAさんの資産は、4096万円になりました。
結果が信じられない人は、紙と電卓を使ってぜひ計算してみてください。
複利の結果
先ほどと同様、Aさんの資産運用をもう一度確認してみましょう。
1か月目 | 2か月目 | … | 12か月目 | |
---|---|---|---|---|
投資先のお金 | 1万円 | 2万円 | 2048万円 | |
今月もらえる利息 | 1万円 | 2万円 | 2048万円 | |
今までにもらった利息 | 1万円 | 3万円 | 4095万円 | |
総資産 | 2万円 | 4万円 | 4096万円 |
ポイントは、投資先のお金がどんどん増えていることです。
もらった利息を、すべて同じ投資先につぎ込んでいます。
このように、投資からもらった利息を毎回同じ投資につぎこんだときの利息を、複利と呼びます。
複利では、「自分の総資産に対する投資額の割合」が一定になっています。今回であれば、投資先のお金は常に自分が持っているお金の100%です。これは、資産運用の「リバランス」を常にしている状態です。
「リバランス」について気になる人は、下の記事を見てみましょう。
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【驚愕の違い】単利と複利の結果比較
結果が出そろったところで、グラフで結果を見比べてみましょう!

このようなグラフを見たことある人もいるのではないでしょうか。
単利に比べて、複利は圧倒的に資産が伸びています。
これが、アインシュタインも驚いた「複利」の力です。
そして、今から最も重要なポイントをお話しします。
それは、横軸が時間なことです。
複利とは、時間を力に変えるマジック

資産運用や投資は、時間を力にします。
言い方を変えると、時間をお金に換えます。
まさに、時は金なりです。
複利とは、この力を最大限活用する方法なのです。
先ほどの例のように、この力を使えばスタートの資産が少なくてもどんどんと量は増えていきます。
特に、時間が多く残っている若い人にはとても有利な仕組みが複利です。
あなたも複利を味方につけて、よりより資産運用をしてみましょう。