投資や資産運用をしている人にとって、最も重要なのが、「リスク」「リターン」という言葉です。
皆さんはどういったイメージを持っているでしょうか。
リスクってなんか怖いことだよなあ。リターンって美味しそう。
ざっとそんなイメージを持っているのではないでしょうか。
資産運用や投資の場面では、実はちょっと違うのがリスクとリターンです。
今回は、初心者の方でもわかるよう難しい数字などは使わずに、「リスク」「リターン」のイメージを 具体例とともに 解説します。
リスクとリターンのイメージを知ろう
さっそく、リスクとリターンのイメージを見ていきます。
ここからは、小学生に戻ってテストを解くつもりでご覧ください。

さて、上のようなテストがだされました。100点満点で、一問正解すると50点もらえます。
もちろん答えは、Aに①が入り、Bに②が入ります。それがかけたら100点です。
大事なのは、この問題の答えがわからないときです。1+1の答えも1-1の答えもわからない時、私たちには二つの作戦があります。
(もちろん問題の回答リストはどれかに当てはまるという前提です)
- 作戦1:100点を狙って適当にⒶとⒷもしくはⒷとⒶと答える作戦。
- 作戦2:必ず50点がもらえるように、ⒶとⒶ、もしくはⒷとⒷと答える作戦です。
~作戦1~


~作戦2~


最初の作戦は、50%の確率で100点ですが、50%の確率で0点です。平均すると、50点がもらえます。
次の作戦は、100点を取ることはないですが、そのかわり0点を取ることもありません。100%の確率で50点がもらえます。この場合も、平均は50点です。
作戦 | 100点の確率 | 50点の確率 | 0点の確率 | 平均 | リスク |
---|---|---|---|---|---|
1 | 50% | 0 | 50% | 50点 | 高 |
2 | 0 | 100% | 0 | 50点 | 低 |
リターンは、この平均に似ています。今回であれば、作戦1でも2でもリターンは同じです。
では、一回テストの結果を書いたときに、なるべくその平均に結果が近くなるのはどちらでしょうか。もちろん、必ず50点がとれる作戦2ですね。
リスクとは、リターンにどれだけ近い値がとれるかを表します。
そのため、今回であれば、作戦2のほうが作戦1よりもリスクは低いといえます。
面白いのは、次のケースです。
作戦3として、次のケースを考えましょう
- 作戦1:100点を狙って適当に①と②もしくは②と①と答える作戦。
- 作戦2:必ず50点がもらえるように、①と①、もしくは②と②と答える作戦です。
- 作戦3:わからないので、何も答えをかかないで提出する作戦。
無記入で提出します!なんとリスクの高そうな作戦でしょう。
もはや作戦と言えるかもわかりませんが、この人のリターンとリスクがどうなるかわかりますか?
答えは、次の通りです。
リターンは0点で作戦1と作戦2より低い。
リスクは作戦1よりも低くて作戦2と同じ。
になります。
作戦 | 100点の確率 | 50点の確率 | 0点の確率 | 平均 | リスク |
---|---|---|---|---|---|
1 | 50% | 0 | 50% | 50点 | 高 |
2 | 0 | 100% | 0 | 50点 | 低 |
3 | 0 | 0 | 100% | 0点 | 低 |
0点になることはいいことではありませんが、「必ず」0点になるのなら、低いのがリスクです。
なぜなら、「地震の被害」が大きかったとしても、地震が明日必ず起きるのであれば「リスク」は低いからです。
以上リターンとリスクのイメージのお話しでした。
簡単にイメージだけ説明しようとしても難しい話ですが、本格的に学んでみたい方は、ぜひ金融工学の勉強をしてみてください。
リターンとリスクで投資や資産運用を評価しよう
リターンとリスクの雰囲気をつかめたところで、ようやく次の話です。
いい投資ってなんだろう。いい資産運用って何だろう。
これを考えるときにリスクとリターンが役立ちます。
考えかたは単純です。
リターンは高いほうがいい。リスクは低いほうがいい。
これはみなさんが思っているとおりかと思います。では先ほどの作戦を評価してみましょう。
作戦 | 平均 | リスク | 評価 |
---|---|---|---|
1 | 50点 | 高 | ??? |
2 | 50点 | 低 | 1位 |
3 | 0点 | 低 | ??? |
期待値も高く、リスクも低い作戦2が、最も優秀な投資ということになりました。
(小学生のときに、答えがわからなくて同じ答えを入れていた人、あなたは優秀な投資家です。)
さて、作戦2が1位になるのはいいとして、問題は作戦1と作戦3のどっちがいいのか?という話です。
残念ながら、ここまでのイメージの話ではこの2つを比較することはできません。
しかし、この2つを比較する方法は存在しますし、実際に私たちが日々生活しているときも、自分の頭で判断しているはずです。
なにはともあれ、今回は大事なのがリターンとリスクということは理解しておきましょう。
まとめ
リスクとリターンのイメージをお話ししました。
リターンは、取れる見込みの点数。リスクは、その値にどれだけ近いか?を表します。
資産運用や投資をするときには、リスクとリターンを大事にしましょう