複利の1つである「半年複利」。普通の複利と違うの?どうやって計算すればいいの?という方向けに、意味と計算方法を解説します。
半年複利を1年複利と比べてみる
利息や利回りは、よく期間を1年として表します。そのため、複利についても1年複利が基準になることが多いです。
半年複利とはなにか?を考えるために、1年複利との違いを考えましょう。
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1年福利の場合
1年間で「100%複利」の投資先があったとします。
この投資先に、1万円を投資した場合、1年後のお金はいくらになっているでしょうか?

答えは、もちろん2万円です。
1年後のタイミングで、利息として1万円がもらえます。
半年複利の場合
では、次に、半年ごとに「100%複利」の投資先があったとします。

すると、半年後には利息を1万円もらえます。
また、複利なので、もらった利息も再投資します。
よって、さらに半年たった1年後には、利息を2万円もらえます。
半年複利は、利息をもらえるのが半年ごとなだけ
このように、半年ごとに利息をもらい、それを再投資する方法が半年複利です。
対して、1年ごとに利息をもらい、それを再投資する方法が1年複利です。
つまり、半年複利だろうが、1年複利だろうが、期間が違うだけで、やっていることは全く変わらないということです。
半年複利の計算方法
「半年複利」と「1年複利」、やっていることは変わらないですが、ポイントは「利回り」の比較の仕方です。
先ほどの例では両方とも利回りは「100%」でしたが、1年後の結果は違いました。それはもちろん、「半年複利が100%」なことと、「一年複利が100%」なことでは、条件が違うからです。
では、どうやってこの二つを比較すればよいでしょうか?
そのためには
- 半年複利を1年複利に計算しなおす
- 1年複利を半年複利に計算しなおす
のどちらかが必要になります。
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半年複利を1年複利に計算しなおす
さきほどの例を考えてみましょう。
半年で100%増える投資と、1年で100%増える投資を比べました。その時の資産の推移をみてみます。
スタート | 半年後 | 1年後 | |
---|---|---|---|
1年複利 | 1万円 | 2万円 | |
半年複利 | 1万円 | 2万円 | 4万円 |
1年複利は、1年後2万円になっています。
半年複利は、1年後4万円になっています。
利回りの計算結果
このとき、1年たったときの利回りを計算してみましょう。
スタート | 半年後 | 1年後 | 利息合計 | 1年の利回り | ||
---|---|---|---|---|---|---|
1年複利 | 1万円 | 2万円 | 1万円 | 100% | ||
半年複利 | 1万円 | 2万円 | 4万円 | 3万円 | 300% |
1年複利の場合は、1万円が元本で、1万円が利息です。そのため、利回りは100%です。
半年複利の場合は、1万円が元本で、3万円が利息です。そのため、利回りは300%です。
このように、半年複利100%は、1年複利に直すと300%になりました。
100%と比べると、結果が3倍異なるということです。
このように、半年複利を1年複利に計算しなおすときには
1年複利 = (1+半年複利)の2乗 - 1
で計算できます。
「100%」は「1」を意味しますので、半年複利に1を入れて計算してみてください。
これを使えば、なんでも比較が可能になります。
①1年複利50%の投資先
②半年複利20%の投資先
どちらが優秀な投資先でしょうか?
比較するために、②を1年複利に計算しなおしてみましょう
1年複利 = (1+0.2) の 2乗 - 1
= 1.2 × 1.2 – 1
= 0.44 (44%)
つまり、①のほうが利回りが高い優秀な投資先となります。
逆に、①の1年複利が43%の場合は、②のほうが優秀な投資先ということがわかります。
1年複利を半年複利に計算しなおす
逆に、1年複利を半年複利に計算しなおすことも可能です。
この考え方は、連続複利の計算において非常に大切になります。
方法は簡単で、さきほどの式に入れれば計算できます。
1年複利 = (1+半年複利)の2乗 - 1
たとえば、1年複利が700%(7)のときの半年複利を計算してみましょう。
7 = ( 1 + 半年複利 ) の2乗 ― 1
半年複利 = 3 (300%)
よって、1年複利が700%のときの半年複利は、300%です。
比較するときは、最初の方法を使いましょう。
まとめ
以上、半年複利の意味と計算方法を説明しました。
- 半年複利は、半年ごとに利息がもらえてそれを再投資する
- 半年複利も1年複利もやっていることは変わらない
- 半年複利を1年複利に計算しなおすほうが簡単
複利を制する者が資産運用を制します。
しっかり理解を深めましょう。