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SRI(社会的責任投資)とESG投資って何が違う?【目的や問題点を比較しよう】

最近話題のESG投資ですが、実は似たような考え方の投資は既に存在しています。それが、社会的責任投資(SRI:Socially Responsible Investmentです。

すでに何年も証券市場にいる方なら、ESG投資が話題になっている今「ESG投資とSRIの違いはなんだ?」と気になっているかもしれません。

SRIを知らない方も、SRIを知ることでESG投資についてもっと理解が深まるはずです。ESG投資は歴史が浅いですが、似た事例のSRIを見ることで、本当に利益になっているのか?どういった問題点がでてくるのか?といったことを見ていきましょう。

ESG投資とSRIは、同じところも違うところもある

結論からいうと、SRIとESG投資は基本的には同じです。というより、SRIの1つの形態がESG投資といったほうが良いかもしれません。その意味では、SRIの中にESG投資が入っています。

しかし、ESG投資が注目されていく中で、SRIとは違うという線引きも出始めてきました。ESG投資がSRIの枠から飛び出している部分もあるのです。

それでは、具体的に両者の違いを見ていきましょう。

SRIは100年近い歴史を持つ「不買運動」

SRIの始まりと言われているのは、宗教的投資家による不買運動です。

1900年代前半、これらの投資家は、アルコール・タバコ・ギャンブル・武器など、宗教の教えに反する企業を投資対象から除外することにしました。いわゆる、不買運動です。

これらの行動は、「差別の排除」や「アパルトヘイト反対」など他にも様々な観点からの不買運動に発展しました。

その後、「不買」だけではなく、よりよい企業には積極的に投資をしようという流れにもなりました。

これらの投資の背景にあるのは、「正義」の話です。

「儲かる会社」「儲からない会社」などではなく、自分が持っている正義の観点から「良い会社」「悪い会社」に分類し、「いい会社」になるべく投資をして「悪い会社」は投資先から外そうとしています。

そして、「個々の正義」は、集まると「社会の正義」になります。どのようなことが社会で求めらているのか?にしっかり対応している企業が、投資対象となります。

社会からの責任に応えている企業が選ばれる。だからこそ「社会的責任投資(SRI)」と呼ばれるわけです。

この時代の社会の要望こそが、ESG

「企業が社会から求められること」は、実は常に同じではありません。

たとえば、日本でも、「米騒動」などから始まり、「いじめ問題」「パワハラ問題」「残業問題」などなど、社会が話題とする内容はかわっていきます。

SRIが出た当初は、たばこやギャンブルなど、そして戦争や差別、環境問題など、企業が社会から求められる内容はSRIでも変わってきました。

そして、いま現在社会が企業に求めていることこそが、環境・社会・ガバナンス【ESG】なのです。

この意味で、ESG投資はSRIの一部ということができます。

SRIとESG投資の違い

それでは、ESG投資がSRIとは異なる部分は、一体どのような部分でしょうか。

SRIの問題点

SRIには、実はこんな問題点がついて回ります。

「なんのためにSRIをするのか」

SRIの多くは、先ほど言ったように正義の話がもとになっています。その意味で、SRIにはよくこんな話がついて回ります。

「SRIは、自分のお金を犠牲にして、自分や社会の正義を実現しようとする特殊な行動だ」

つまり、投資の目的が通常「利益」であるのに対して、SRIはそれを犠牲にしてる行動ではないかという疑問です。少なくとも、投資をしている人が、利益のためにその銘柄を選ぶ(外す)ことはしていないようです。

さらにいえば、こんな問題点もあるでしょう

「本当に社会にとって正義ではないならば、投資の場ではなく社会的に排除される(法律で禁止されるなど)はずだ」

たとえば、今の日本で「殺し屋集団」があったとします。彼らはとても多くの利益を得ていました。この企業に対して、「投資をすべきかどうか」の判断がなされるでしょうか?いやいや、それよりも前に、「こんな企業は潰してしまえ、全員逮捕だ」という結論になるはずです。

このように、「(社会的に)企業としては認められているけれど、(投資家として)投資先としては認められない」という微妙なラインなのが、SRIです。

ESG投資の目的は、単純に正義の執行ではない

それに対して、ESG投資は異なります。

「なんのためにESG投資をするのか」

これの答えとして、もちろん正義の観点もあるかもしれません。しかしそのほかに

ESG投資をするのは、利益になるからだ

という観点が大きく取り上げられています。

本当に利益になるかは難しいところですが、少なくとも、ESG投資を「利益のために」している人は、SRIに比べて段違いに多くなっているのではないでしょうか。

ただし、そのせいで逆に難しくなってしまっているのもESG投資です。

  • 利益のためにESGを見る
  • 正義のためにESGを見る

この二つが混在しているため、矛盾が生じる場合があります。

たとえば、地球温暖化が進むことで北極の氷が解けて、そこで新しく石油がとれることに気づいた企業があります。この会社は、自分の利益のために、地球温暖化をより進ませる活動をしています。

利益の観点からいうと、この会社のESGはプラスかもしれません。しかし、正義の観点からいうと、この会社のESGはマイナスかもしれません。

なにをSRIとするのか?も難しい問題でしたが、なにをESG投資とするのか?は、より難しい問題となっています。

ESG投資が「利益のため」という観点の根本にあるのは、ESG投資が「社会と企業の持続可能性(サステナビリティ)を満たすから」です。
この場合には、利益と正義が同じ方向といえるかもしれません。

まとめ

  • SRIとESG投資は基本的には同じ
  • SRIの目的は個人や社会の正義の執行だが、ESG投資は、益にも着目
  • 利益になるかどうか・なにをESG投資にするかなど、問題点は両方ともある

以上SRIとESG投資の同じところ、違うところについてまとめました。英語ばかりで嫌になりますが、ローマ字3文字は大事です。押さえておきましょう。

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