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【食品ロス削減推進法】基本方針の素案とは!これからどう変わる?(12月16日会議内容)

2019年10月1日に施行された食品ロス削減推進法において、政府が定める基本方針にいま注目が集まっています。

(そもそも食品ロス削減推進法ってなに?という方は以下の記事をどうぞ)

そんな中、12月16日第2回食品ロス削減推進会議にて、基本方針の素案について話し合いが行われました。

この記事では基本方針の素案、会議の中であがった有識者からの要望等についてまとめ、これからどのような形で食品ロス削減が推進されていくのか、事業者や消費者になにが求められるのかについて解説していきます!

 

第2回食品ロス削減推進会議の概要

開催要項

日時

2019年12月16日 10:00~11:30

場所

中央合同庁舎4号館共用第1特別会議室

議題

「食品ロスの削減の推進に関する基本的な方針」素案について

 

「基本方針の素案」は前回の第1回食品ロス削減推進会議での「基本方針の骨子案」への意見集約等を基に作られています。

基本方針「素案」の内容

ここでは共有された基本方針の「素案」を簡単にまとめたうえでお伝えします!

現状認識

世界の食品ロス

  • 世界の食品廃棄量は年間13億トン、生産された食料の約3分の1が廃棄されている
  • 世界の人口は増える続けており、2050年には97億人に達するとされている(=将来的に食料がどんどん足りなくなってくる)
  • 現状でも飢えや栄養に苦しんでいる人が8億人もいる

日本の食品ロス

  • 日本の食品ロスは年間643万トン(事業系:352万トン、家庭系:291万トン)
  • 日本における食料は海外からの輸入に大きく輸入しており、2018年度の食料自給率(カロリーベース)は37%(=他の国の人々が食べれるはずだったものを捨てている)
  • 一般廃棄物の処理のため年間約2兆円ほどの費用がかかっている
  • 家計における食費の割合は4分の1を占めている
  • 子供の7人に1人が貧困である

食品ロス削減推進法が消費者・事業者に求める役割と行動はこれ!

共通する基本的な方向

食品ロス問題を「我が事」として捉え、国民各層が理解だけでなく「行動」に移す

 

消費者

自身の消費行動を通じた食品ロスの発生が、環境や他の国々・地域の人々に影響を及ぼすことを踏まえ、持続可能な消費活動を行うとともに、持続可能な生産・製造・販売活動をおこなう事業者の取り組みを支援するように努める

【買い物】

  • 事前に家にある食材をチェックし、使いきれる分だけ購入する
  • 期限表示を理解し、手前取りや見切り品等を活用する
  • 常に十分な量が店頭に置かれていることを消費者が望むために事業者が過剰に食品を仕入れざるを得ないことが食品ロスの発生の要因だと認識する
  • 食品ロス削減に取り組んでいる店舗を積極的に意識する
  • 中身に問題なければ、段ボールや包装に傷や汚れがあっても許容する

【家庭での食品保存】

  • 賞味期限が過ぎたものであっても、必ずしもすぐに食べれなくなるわけではないため、個別に判断する
  • 災害時用備蓄品食料は賞味期限を把握し、「ローリングストック法」 を取り入れるなど食品ロスが発生しないよう努める

【調理】

  • 使い切りを実践するために、リメイク等の工夫やレシピの情報収集に努める
  • 食べきれる量のみ調理する

【外食】

  • 食べきれる量のみ注文する
  • 食品ロス削減に取り組んでいるお店を積極的に選択する
  • 食べきれない場合は自己責任の範囲で持ち帰ることを意識する
  • 宴会時において「3010運動」を実践する

 

事業者

【各事業者に共通する事項】

  • 包装資材に汚れや傷があったとしても中身が問題なければ、輸送や保管に支障がない場合を除いて、そのままの荷姿で販売することを許容する
  • フードシェア等のサービスを活用する
  • 未利用食品はフードバンクに提供する

【農林業者】

  • 規格外の農林水産物の有効活用を促進する

【食品製造業者】

  • 製造方法や包装等の改善により賞味期限の延長する
  • 年月表示化による賞味期限表示の大括り化
  • 食品小売り事業者と連携した適正受注
  • 端材・形くずれ品の活用

【食品卸売・小売業者】

  • 厳しい納品期限(3分の1ルール)の緩和、日配品の適正発注の推進等
  • 天候や日取りを考慮した仕入れ、販売・季節商品の予約制導入
  • 消費期限、賞味期限に近い商品の購入を促す施策(値引き等)
  • 小分け、少量販売の導入

【外食事業者】

  • 天候や日取り、消費者特性を考慮した仕入れ、提供
  • 消費者が食べきれるための仕組み(小盛り・小分けメニュー、要望を聞く)
  • 3010運動等を促す仕組み
  • 消費者の自己責任を前提とした持ち帰り促進

 

【具体例】これからはこう変わっていく可能性がある!

商慣習の緩和

今回の会議でも取り上げられた以下のような食品業者の商習慣が見直される可能性が高いです。

【3分の1ルール】

賞味期間を3分の1に分けて、最初の3分の1までにメーカーは小売りに納品し、次の3分の1までに小売りは売り切るというルール

【賞味期限の年月表示化】

ex.20191.1→2019.1

【日付後退品】

前日納品したものより1日たりとも古いものは納品してはならないというルール

【コンビニ会計】

見切り品を値引きして売るよりも廃棄したほうが本部の取り分が多くなる仕組み。店側は本部からの契約解除を恐れて値引き売りをせずに廃棄を選択してしまう場合もある

 

既に是正を実施している先進的な企業もある反面、これらの商慣習が現在も多く存在しているのも現状です。

政府の声掛けにより、今後大幅に改善が進む可能性があります。

 

エシカル消費の普及

エシカル消費とは、「人や社会、環境のことを考えた消費行動やライフスタイル 」のことです

政府もエシカル消費の普及に力を入れており、人々の判断基準のひとつとなることが期待されています。

 

フードバンクの拡大

今回の会議でも多くの有識者から要望があったフードバンクの活用が今後さらに拡大していく可能性が高いです。

アメリカで最大のフードバンク「フーディング・アメリカ」の食品ロス削減量は158万トンにも及びます。

しかし収益化が難しいフードバンクの運営はコスト面で運営が困難な場合もあるため、今後は国からの補助金等が出る可能性があります。

またこれらのフードバンクの情報を貧しい人々が受け取れるような工夫も必要ですね。

 

ドギーバック(持ち帰り容器)の導入

日本では取り入れているお店が少ないように感じますが、欧米では食文化として定着しています。

フードロスは発生させたものを再利用するより、そもそも発生させない仕組みや食べきることが重要です。

今後日本でも当たり前の文化になってほしいです。

 

食品ロス削減推進法における今後のスケジュール

(今回) 2019年12月16日 第2回食品ロス削減推進会議  基本方針の素案作成

2020年1月 基本方針の素案についてパブリックコメントの実施

2020年2月 第3回食品ロス削減推進会議  基本方針の案検討・決定

2020年3月 閣議決定

 

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